
グレインフリーフードとは?
グレインフリーフードとは、その名の通り穀物を一切含まないペットフードのことを指します。近年、ペットの健康を意識する飼い主たちの間で人気が高まっており、特に犬や猫向けに開発された多くの製品が市場に登場しています。グレインフリーフードは、穀物に含まれるタンパク質がアレルギーを引き起こす可能性があるため、これを避けることでアレルギーの回避に役立ちます。また、穀物の消化が苦手なペットにとって消化のしやすさも魅力であり、これらの理由から注目を集めています。では、その特徴や利点、そして考慮すべき点について詳しく解説します。

グレインフリーフードの特徴
グレインフリーフードの主な特徴は、以下の4つです。
- 高タンパク質: グレインフリーフードは肉や魚を主成分としており、動物性タンパク質の含有量が非常に高いことが特徴です。このため、ペットに必要な必須アミノ酸を豊富に提供することができます。特に活発な犬や猫にとって、高タンパク質は筋肉の維持や成長に役立ちます。
- 消化の良さ: 穀物を含まないため、グレインフリーフードは消化が容易であるとされています。犬や猫は元来、穀物の消化があまり得意ではないため、特に消化器官がデリケートなペットにとっては、胃腸への負担が少なく済むとされています。これにより、アレルギーや消化不良に悩むペットにも適した食事といえます。
- アレルギー対策: 穀物アレルギーを持つペットにとって、グレインフリーフードは有効な選択肢です。穀物には小麦やトウモロコシといった、アレルギーを引き起こす可能性のある成分が含まれており、これらを除外することでアレルギー症状の軽減が期待できます。
- 栄養バランス: グレインフリーフードでは、炭水化物源としてポテトや豆類が使用されます。これにより、エネルギーと栄養のバランスを保ちながら穀物を排除することが可能です。さらに、野菜や果物などを加えることで、ビタミンやミネラルといった微量栄養素も補完されています。
メリットとデメリット
メリット
- 穀物アレルギーの回避: 穀物に含まれる特定のタンパク質は、犬や猫にとってアレルギーの原因となることがあります。グレインフリーフードを与えることで、これらのアレルギー反応を防ぐことができます。
- 肥満防止と血糖値の安定: 穀物は炭水化物が多く含まれ、高カロリーです。一方、グレインフリーフードは肉や魚を主成分とするため、血糖値を急激に上昇させることが少なく、肥満のリスクを軽減できます。
- 腸内トラブルの予防: 消化しやすい成分を使用しているため、胃腸の健康をサポートし、腸内トラブルを予防します。これにより、ペットが快適に過ごせるようにすることが可能です。

デメリット
- 高タンパク質による内臓への負担: グレインフリーフードは高タンパク質のため、腎臓や肝臓に負担をかける可能性があります。内臓に負担をかけないためには、低タンパク質のフードと併用する、給餌量を調整する、もしくは定期的に獣医師のアドバイスを受けるといった対策が有効です。特に高齢のペットや、内臓に問題があるペットには注意が必要です。
- 消化不良のリスク: タンパク質の含有量が高いことから、一部のペットには消化不良を引き起こすこともあります。ペットの消化能力に応じたフード選びが重要です。
- 心臓病との関連性(議論中): 一部の研究では、グレインフリーフードと犬の心臓病(拡張型心筋症)との関連が指摘されています(例:FDAの調査報告)。しかし、まだ議論が続いている段階であり、科学的に確定した情報ではありません。
- 価格が高い: グレインフリーフードは、通常のペットフードに比べて価格が高い傾向にあります。これは、高品質な肉や魚、オーガニックの野菜や果物などの原材料が使用されているためです。そのため、コストを気にする飼い主には負担になるかもしれません。

栄養バランスと主な食材
グレインフリーフードには、いくつかの主要な食材が使われています。
- 肉類と魚類:動物性タンパク質の主要な供給源であり、ペットにとって必要不可欠なアミノ酸を提供します。
- 豆類:植物性タンパク質と食物繊維の供給源となります。豆類を加えることで、食事に適度な繊維を含めることができ、腸内環境の維持に役立ちます。
- いも類(ポテトやサツマイモなど):炭水化物源として使われ、エネルギーを供給します。特にポテトは消化が良く、アレルギーリスクが低いことが評価されています。
- 野菜と果物:ビタミンやミネラルの供給源として、野菜や果物が使われます。これにより、ペットの健康をサポートするための多様な栄養素が含まれています。
市場動向と人気ブランド
グレインフリーフード市場は年々成長を続けており、2023年から2030年までの間に6.5%の年間成長率(CAGR)が予測されています。以下のようなブランドが、特に人気を集めています。
- カナガン(Canagan):高タンパク質で穀物不使用。自然な成分を使用し、全てのライフステージに対応。
- モグワン(MogWan):食いつきの良さで知られ、小型犬にも適したフードです。
- アカナ(Acana):品質と安全性に重点を置き、ペットの健康を第一に考えた製品作りを行っています。
- ウェルネス(Wellness):消化器系の健康をサポートする成分を使用し、総合的な健康維持を目指しています。
- ヤラー(Yarrah):オーガニック認証を取得しており、環境にも配慮した製品です。
獣医師の見解
グレインフリーフードについて、獣医師の間でも意見は分かれています。一部の獣医師は、犬は雑食性の動物であり、穀物を含むフードでも健康に問題ないと考えています。また、アレルギー予防としての効果についても疑問視する声があります。
一方で、穀物アレルギーを持つペットや、特定の健康上の理由で穀物の除去が必要なペットにとっては、有効な選択肢であるとの意見もあります。重要なのは、個々のペットの健康状態やニーズに応じて適切なフードを選ぶことです。獣医師と相談しながら、ペットに最適な食事を決定することが推奨されています。獣医師のアドバイスを参考にすることで、健康状態に適した選択ができるため、専門家の意見を取り入れることが重要です。

グレインフリーフードとグルテンフリーの違い
「グレインフリー」と「グルテンフリー」はしばしば混同されますが、これらは異なる概念です。グレインフリーは穀物を全く含まないフードを指しますが、グルテンフリーは小麦や大麦に含まれるグルテンというタンパク質を除去したものです。つまり、グレインフリーのフードは自動的にグルテンも含まないということになりますが、全てのグルテンフリーフードがグレインフリーであるとは限りません。
個別の判断が大切
グレインフリーフードは、特定の健康問題(例:アレルギーや消化不良)に対応するために有用ですが、全てのペットに適しているわけではありません。ペットの年齢、健康状態、活動量などを考慮しながら、最適な食事を選択することが重要です。また、フード選びに迷った場合は、信頼できる獣医師に相談することも一つの方法です。
グレインフリーフードはペットの健康維持に有効な選択肢の一つですが、その選択には慎重さが求められます。飼い主としての責任を持ち、愛するペットが健康で快適に過ごせるよう、最適なフードを見極めて選んであげましょう。
この記事を書いた人 Wrote this article

john-family 男性
ずっと旅行をしていたい。愛犬Johnが来てからはなかなか気軽にお出かけできなくなったけど違う癒やしにあふれているからOK。社会人生活はベテランです。兵庫県在住。興味があちこちにいくので雑記帳になっちゃうかも。